新橋系

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私は大前研一氏の本が好きです。新国富論の頃から拝見しています。

しかし彼の弱点を感じさせる記述もあります。

彼が幕末で尊敬している人物は「小栗忠順」です。一方で西郷隆盛や坂本龍馬のような西南諸藩の人物は小物と断じています。


私はここに彼の限界を感じます。

実は私も小栗忠順は幕府側で最も好きな人物です。大前氏が述べるまでもなく、危機に瀕した幕府がなんとか切り盛りできていたのは彼の功績によるものが大きいですし、米国との兌換交渉で、金銀の純度にFocusしてロジカルネゴシエーションした件も素晴らしいです。確かに論理性に関しては、西郷隆盛や坂本龍馬は小栗には遠く及ばなかったでしょう。それは確かです。

しかし西郷隆盛や坂本龍馬が持っていたのは論理性というよりは、周りの人々を動かすカリスマ性です。でなければ、誰も脱藩サムライの戯言に耳を傾けはしないでしょう。


実はこの人を動かす力こそ、大前氏の弱点ではないかと感じます。

大前氏はロジカルシンキングに長けています。数多くの優れた政策提言を行っている。しかも政財界の人脈も広い。

しかし現実には大前氏の政策はほとんど採用されていませんし、彼自身も都知事選で青島氏らに大敗している。つまり政レベルで人を動かす力は乏しかったと言えるでしょう。

その原因は、彼の上記のような史観にも如実に現れているように感じます。「論理的に正しいことが実現されるべき」という価値観です。


「論理的に正しいことが実現されるべき」というのは、個人的には私も共感する考えです。私は高知県出身だけど、私もあまり坂本龍馬は好きではなかったりします。まだ同志の中岡慎太郎の方が好きですし、それ以上に日本最大の財閥である三菱グループを築いた岩崎弥太郎の方がすごい気がする。

けど、現実には西郷や坂本らは明治維新を成し遂げ、一方の小栗は裁判抜きの処刑で刑場の露と消えました。

私は大前氏の幕末期に関する史観を聞く度に、心情的に共感はしつつも、論理的には大前氏のアウトプットを制約する大いなるもったいなさを感じてしまうのです。


Comments

>かときちさん
ええ、彼の初著作の「企業参謀」としては絶大な威力を発揮した方なのだと思うのですよ。

ところでそちらは22時ぐらいまで日が落ちない季節になりましたね(^^)

たしかにそうかもしれないですね。
納得。

彼は参謀に徹したほうがより価値がでるのかもしれませんね。
劉備に対しての諸葛亮みたいに。

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旧・新橋系」から移転して参りました(2006年07月29日)

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